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『早稲田学報』とあの早慶戦ポスターのコラボレーションが実現!
話題を呼んだ2015年の東京六大学野球早慶戦ポスター。「ハンカチ以来パッとしないわね、早稲田さん。」、「ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶應さん」という煽り合いのコピーを覚えている方も多いでしょう。「早慶戦の英雄たち」が特集の『早稲田学報10月号』表紙で、あの早慶戦ポスターとのコラボレーションが実現! 当時の制作陣が再集結して撮り下ろしました。また、数々の早慶戦ポスターを生み出した近藤雄介さん(慶應義塾大学應援指導部出身)に、早慶戦ポスター制作への思いを伺いました。
自分にしかできない方法で早慶戦を盛り上げたい
2015年「東京六大学野球 華の早慶戦」東京六大学野球連盟/株式会社電通 制作
「これまで取り組んできた『応援』と、ものの魅力を最大限に伝える『広告』には通ずるものがある」と考え、広告をつくる仕事に就きたいと電通に入社した近藤雄介さん。入社当時から自分にしかできないことは何か自問自答し続けてきた。
転機が訪れたのは、入社して1年たった2015年の春。應援指導部の後輩から「早慶戦を盛り上げたいから協力してほしい」と依頼があった。斎藤佑樹選手などの人気選手が卒業し、應援指導部の後輩たちも盛り上げ方を模索していたときだった。
「早慶戦の結果がニュースになることはありましたが、始まる前から注目されることはなくなっていました。メディアに注目されるようにと考えついたのが、煽り合うポスターだったんです」
「煽り合う」というスタイルに着目したのは、早稲田大学と慶應義塾大学のライバル関係を野球の早慶戦のイメージにつなげてもらうため。関係者だけでなく、一般の人も引き込む内容を意識した。
「早慶のライバル関係は、誰でも知っていることです。対立構造を明確に表現することで、メディアでも早稲田vs慶應という図式で盛り上がり、より取り上げてもらいやすくなると考えました」
インターネットで拡散される場合は画像がサムネイル(縮小見本)化されるため、上、中、下のどこを切り取られても対立が分かるデザインとなるよう工夫。「ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶應さん。」などのコピーも、内輪ネタ、悪口にならないよう、たくさんの案を練り出し、両校応援部・應援指導部の学生たちとつくり上げていった。
ポスターが話題となり、2015年春の早慶戦の観客動員数は、神宮球場で開催された同時期のプロ野球の観客動員数を上回り、1日で約3万4000人という結果に。
「そのときの試合は早稲田の勝利で悔しさもありましたが、ポスターをきっかけに両校が一緒に盛り上がったことが何よりうれしいことでした。東京六大学野球や、その他の早慶スポーツの観客動員数も増えるように、これからも卒業生として早慶戦の宣伝に関わり続けていきたいですね」
今号の表紙制作のため、2015年の「東京六大学野球 華の早慶戦」ポスターを制作したスタッフが再び集結!
当時のポスターのモデルを務めた早稲田大学応援部出身の小川遥加さん(2016年法学部卒業)と慶應義塾大学應援指導部出身の池田恵梨子さん(2016年商学部卒業)のお二人のほか、近藤雄介さんはじめ、当時のアートディレクターの矢部翔太さん、カメラマンの横溝浩孝さんにもご協力いただきました。
こんどう・ゆうすけ/2014年慶應義塾大学文学部卒業。2013年度應援指導部リーダー部責任者。卒業後、株式会社電通に入社。コピーライティングやCM企画に携わる。2015年「東京六大学野球 華の早慶戦」ポスターで、2016年TCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞など広告賞を多数受賞。
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