- 知る
学生街の喫茶店
Cafe GOTO
世界各地から届いた絵葉書の一枚一枚が物語るもの
撮影=小泉賢一郎(2000年政経)
ビル脇の階段を2階へ上り、ドアを開けると目の前に現れるのは、光り輝くケーキのショーケースだ。自家製ケーキが評判の「Cafe GOTO」は、1991年の開店から今年で31年を数える。
「一番人気はベイクドチーズケーキ。コロナ禍でステイホームの時期には、地域の方からテイクアウトのオーダーが増え、全国の卒業生からも発送の注文が殺到しました」
店主の後藤進さんはフレンチ出身。修業の後に代々木上原でレストランを開業し、5~6年後に早稲田へ移ってこの店をオープンした。そんな経歴を聞けば、ケーキのおいしさにも合点がいく。
「喫茶店は、店の人だけが頑張ってつくるものではなくて、お客さまと一緒につくるもの」が、後藤さんの持論だ。Cafe GOTOへやって来る早稲田の学生や校友に向けるまなざしからは、温かいものが伝わってくる。
「かつて在学中に店へ通ってくれた卒業生たちが、お子さんを連れてきてくれるんです。夫婦そろって早稲田出身でお子さんも早稲田に合格して、その子を連れてきて『昔ここでお父さんとデートしたんだよ』って。今度は孫を連れてきてくれるかもしれないから、あと20年は頑張って店を続けようかな」
店の壁には、世界各地から届いた絵葉書がびっしりと並ぶ。その多くは、年月を経てコーヒー色に染まっている。客やアルバイトの学生が旅先から、あるいは帰国した外国出身の教職員が母国から、Cafe GOTOへ送ってきたものだ。後藤さんと客たちとの確かな心のつながりを、これらの絵葉書が物語っている。
深煎りの豆を使用したブレンドコーヒーは、ネルドリップで丁寧に淹れる
開店30周年記念のエコバッグを販売。店主・後藤さんのイラストが描かれている
ゆっくりと落ち着いた時間を過ごせる店内
地下鉄の早稲田駅からほど近いビルの2階に、入り口がある
世界中から届いた絵葉書のそれぞれに、思い出が詰まっている
ショーケースには10種類ほどの自家製ケーキが並んでいる
大人気のベイクドチーズケーキ
〈 エピソード 〉
卒業後、おすすめのお店だからと言ってパートナーと訪れた際も、自分と同じようにおしゃべりしている学生たちがいて、変わらぬ空気とケーキのおいしさにほっとしました。学生時代も今も大好きな店です。(法務研2年)
住:東京都新宿区馬場下町7-3 林ビル2F
営:月〜土曜10:00〜21:50、日曜10:00〜19:00
休:不定休
毎号特集テーマを変えて、早稲田の今や社会で活躍する校友の姿を伝える、コミュニケーション誌『早稲田学報』。
校友会員の方は定価1,000円×6(隔月刊)=6,000円のところ、校友会費5,000円でご購読いただけます。
校友会員以外の方もご購読いただけます。また、1冊のみのご購入も可能です。