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文学部 山本聡美「美術史」

 ここは奈良、薬師寺の東院堂。文学部美術史コースの山本聡美先生、成澤勝嗣先生、肥田路美先生、川瀬由照先生、益田朋幸先生、児嶋由枝先生と学生たちが奈良研修旅行に来ている。

 日本で最も長い歴史を持つ美術史研究室の一つである文学部美術史コースは、1926年に東洋美術史の講義を開設した會津八一の教育理念を今も受け継ぐ。文献研究と作品研究を車の両輪とすること、奈良というフィールドを重視することだ。

 美術史コースの演習では、平安後期の巡礼記『七大寺日記』講読に取り組み、東大寺、興福寺、薬師寺、法隆寺、唐招提寺などの伽藍や仏像に関する豊富な記録を通じて、文献から美術史にアプローチする基礎を鍛えるのが伝統となっている。それを踏まえて奈良研修旅行に赴くことで、寺院周辺の地理、伽藍や仏像の大きさ、その造形的特徴など、文献に基づく知識が立体的になり、作品観察を通じた考察力を身に付けることができる。これは、日本・東洋・西洋、いかなる地域、時代にも応用できる美術史の根本的な方法論だという。学生たちは、奈良で目の前の造形に圧倒されつつ、「制作当時なぜこれが必要とされたのか」という同時代性、また、それらが何百年、千年以上を経て現在の自分と対峙していることの意味を考える。そして、その技術力、表現力、存在感を、どのように実証的に記述、説明するかを求められる。その経験が、やがて研究の集大成である卒業論文につながっていくのだ。

 文献を読み作品を見る経験を重ねることで、美術史の知識だけでなく、視覚文化を読み解く力、つまりヴィジュアルリテラシーが獲得される。山本先生は学生に「卒業後の進路がどのような分野であっても、イメージを読解し、言語化して発信できるスキルは、今後の社会を動かしていく大きな力になるはず」と伝えている。

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